なるいのDRM進化論

成井秀樹のKEYRING通信

ITmediaのオルタナティブブログにもより幅広い話題で執筆しています。
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2008年12月アーカイブ

動画ビジネスの今後を予感させるサービス

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 激動の中2008年も暮れようとしている。政治や経済がどのように変動しようが技術をベースにした社会変動の大きな波は確実に動いている。今年の最後に動画ビジネスの未来を予感させるサービスを紹介する。

navicon.gif 今年の6月に静かに一つのサイトが誕生した。インターネット上でサービスされているオンデマンド動画番組情報を紹介するナビコンだ。
ナビコン株式会社代表取締役の木尾保男社長はアスキーで営業部長としてパソコン業界で辣腕をふるった後、EPGや映画情報サイトを手がけてきたが、そのノウハウを生かして6月から動画情報検索サイト、ナビコンを始めた。今後大きく広がるネット動画の世界でのナビゲータになるというコンセプトで幅広いネット動画に関する情報を整理して提供するサイトだ。

 対象とする動画はGyao、Yahoo動画、ShowTime、バンダイチャンネルなど100以上のサイトをカバーし当面10万コンテンツのデータベース化を目標にしている。YouTUBEやニコニコ動画などの投稿系のものやアダルトは扱わない。ナビコンでは各動画のメタ情報をデータベース化していろいろな角度から検索ができるようにしている。ジャンルとしては映画、アニメ、ドラマ、スポーツ、バラエティから趣味、教育、観光、ショッピングと幅広い。有料のものも無料のものもある。

 これまでの動画検索では投稿系のものが中心であったり、検索する範囲が自社のものだけだったり、十分にユーザーの気持ちが反映されていなかった。ナビコンでは商用サイトに絞ることでコンテンツの質を一定のレベルに保ちつつ、広範囲に動画配信サイトを網羅することでユーザーの琴線に触れるサービスとなっている。

 地上波のテレビがデジタル化されるとともにEPGも一般的に使えるようになって来た。ところが皮肉なことにそれと平行して地上波テレビのコンテンツの質は低下し続け、曰く子供と年寄りしか見ないような内容で満ちあふれている。せっかくのEPGで検索したり予約したりするようなコンテンツはどんどん減っている。これは新聞や雑誌と同様にテレビの広告収入が減り続けていることでも数字に現れている。一方インターネットの世界ではインフラとしてのブロードバンドは十分に使えるものになり幅広いジャンルのコンテンツが配信され始めている。もちろんインターネットの元来の特徴で玉石混淆のコンテンツが入り乱れているが、多くの石の中に少数ではあるが玉も確実に増えて来ている。

 こういった中でナビコンのサービスの意味するところは大きい。入り乱れて存在する動画コンテンツを適切にナビゲートするサービスが現在存在していないからだ。ちょうどテレビのEPGや番組案内のような仕組みがない。グーグルのようにロボットが機械的に動画を集めてくるサービスではなく、また動画配信会社が自社のコンテンツの案内だけをするのではなく、公平にかつ網羅的にインターネット上の動画を紹介し検索できる仕組みだ。そこには人間の手による編集というフィルターが介在しユーザーにとって使いやすいものになっている。

kizunakatsudo.gif サービス開始から半年間の運用の中で最も特徴的なイベントとして埼玉総体(インターハイ)が、7月~8月に掛けて行われ、NPO法人埼玉総体動画配信支援センターが全競技をネットで動画配信(一部ライブ)を行った。この時期は北京五輪や高校野球が行われた時期であるにも関わらず、期間中に130万ビュー、サイトへのアクセスは700万PVと多くの視聴があった。学校関係者や家族から大変好評を得たそうである。このようなサービスこそ、ネットでの動画配信の強みがあると木尾社長は語る。

 木尾社長の計画では業界で動画に関するメタデータのフォーマットを決めて、より効率的に必要な動画を見つけられるデーターべースを作ろうとしている。これまで動画と言えば放送局が流す一方的な番組だったものが、これからはインターネットをベースにした動画配信が大きく伸びていくのは間違いない。日本の放送局も遅ればせながら番組のネット配信に積極的になりつつある。そしてそこにはナビコンのようなサービスが必須だろう。
 来年もデジタルコンテンツのビジネスは大きくうねるように成長していくだろう。試行錯誤の部分がまだ大きくコンテンツの内容、配信方法、DRM、ビジネスモデルなど様々な動きが相互に影響されながら変化していくだろうが、着実に市場が拡大することだけは間違いない。
 
<了>
ナビコン株式会社 代表 木尾保男 氏
mr_kio.jpg元アスキー営業部長。EPGや映画情報サイトを手がけたノウハウを生かして6月から動画情報検索サイト「navicon」を開始。
プロフィール
成井秀樹写真
アスキーにてMS-DOSなどマイクロソフト製品の日本市場導入にかかわり、西社長(当時)やマイクロソフト社長ビル・ゲイツ(当時)から薫陶を受ける。99年アイドック株式会社を創業、05年PDFコンテンツの著作権保護ソリューション「KeyringPDF」を開始。07年、国内初のSaaS型FLASHコンテンツ保護ソリューション「KeyringFLASH」を開始した。デジタル著作権保護の第一人者。趣味はフライフィッシング、東京外国語大学卒、東京都出身。
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