なるいのDRM進化論

成井秀樹のKEYRING通信

ITmediaのオルタナティブブログにもより幅広い話題で執筆しています。
抄録をこちらに載せていますので、ご興味ある方はITmediaの方もご覧ください。

2009年12月アーカイブ

本棚公開、かなり勇気のいる行為だけど・・

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Picture_2ご存知の方も多いと思うがブクログというサービスがある。ブックマークをベースにしたSNS的なサービスがあるが、ブクログは自分の読んだまたは読みたいと思っている本をベースにしたコミニュケーションサービスだ。著者や書名などのキーワードで簡単に本を登録することができる。説明では

ブクログではAmazonの商品データベースを利用しているため、Amazonで取り扱っていないアイテムを登録することはできません。現在Amazonで取り扱っていないアイテムも登録できるよう検討しております。
ということだ。つまりAmazonのDBを使って自分の本棚を管理、公開できるサービスだ。ビジネスモデルとしてはここで知った本をAmazonで買うことによるアフィリエイト収入らしい。運営会社はロリポップなどを提供しているPaperboyというGMO系の会社だ。年末ということで形だけ部屋の整理をしていてこのサービスの存在を思い出して手元にあった数冊だけを登録してみた。まだ使いこなしていないのでサービスについて評価はできないが少し続けてみようと思う。類似サービスもたくさんあるように思う。Amazonの付加サービス的な色彩が濃いがどういう進化を遂げるのか興味がある。現在ユーザーがどれくらいいるのか調べようとしたが分からなかった。参考に2009年のランキングを見ると、1Q84を登録したユーザーが2600人 いる。コミック系の登録も多いのでユーザーは20−30代中心だろうか。

ところで自分の本棚を公開するのはかなり勇気のいる行為だ。まだ差し障りのない数冊だけを登録しただけなのでストレスはなかったが、本当に自分の読書歴を本格的に公開するとなるとちょっと(かなり)気になる本もたくさんある。「あいつ、こんな本読んでるのか?」といった批判や軽蔑に耐える勇気がいる。その分、一定の量を公開するとその人物の人となりがそれなりに浮かんでくるのかも知れない。最近ぼくはTwitterにもはまっているが、全く知らなかった人をフォローしているとその人の何気ないつぶやきの中になんとなく人柄が浮かんでくるのと似ている。もちろん実像とは別の仮想の人格かも知れないがそれはそれで構わない。

試しにぼくの限定本棚をごらんください。

DRM進化論、出版流通を再定義する(2)

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Picture_2_7今回はこの図について説明する。赤い部分がTAMである。TAMとはTotal Available Marketでその書籍を販売できる可能性のある全ての市場を示す。日本の場合書籍販売数は一部のベストセラーを除くと数千から数万の間だろう。それに対してTAMはいったいどれくらいあるのだろうか?これはコンテンツごとに違うが、数万から数十万といったところだろう。問題はそこにどれだけ訴求(リーチ)できているかだ。それを表すのがベージュ色の輪だ。現在の出版流通の場合、出版社が販売数を想定して印刷部数を決め、取次が全国の書店に配本する。これがほぼマーケティングの全てだ。広告として新聞や雑誌に広告を載せるが有料であるしたいていの場合ごく限定的なものになる。話題の本の場合は無料で媒体に書評がのる場合もあるがこれも限られている。結果として赤とベージュの重なる部分は限定的になる。そして実際の販売はこの重なった部分の中でしか発生しないのである。

一方、デジタル技術とネットワークを利用した新しいマーケティングを使うことによって、このベージュの部分を最大化することができる。最大化できるということはTAMのほとんどまたは全てをカバーすることが可能になる。結果として赤とベージュの重なりも最大化され実際の販売も最大化できる。

「FREE」はこのことを実践して見せてくれた。書籍の内容をPDFで無料で期間限定ながら配布し、Wiredなど自社のインターネット媒体での告知やTwitterなどによるバズマーケティング手法もふんだんに使った。これらは基本的に無料のマーケティングだ。これらの手法により「FREE」に興味を持ち購入する可能性のある市場のほとんどに訴求することができた可能性がある。Amazonでは50日間以上も100位以内を続けているしビジネスカテゴリでは一位を続けている。これはかなり衝撃的な事実である。もし「FREE」を通常の出版流通で販売した場合、売上は比較にならない位低いものになった筈だ。また附帯ビジネスとしてはChris Andersonの前の著書である「ロングテール」が改めて売れたり、監修の小林弘人氏の著書が売れたり、おそらく講演の依頼も多く来ている筈だ。

改めて図に戻ると、いかに低いコストで赤とベージュの重なりを大きくするかということだ。既存の書籍マーケティングは今となってみれば非常に非効率な仕組みになってしまっている。書店に置くことがマーケティングの基本になってしまっているので50%という返本率を承知で配本する。しかもそれは都市部の大型書店に限定されるので地方または中小の書店にとってはその書籍は存在しないことになる。新聞などへの広告も低い利益の中から行うので数回だせれば良い方だろう。しかもこれらは全て有料だ。

つづく

DRM進化論 出版流通の再定義(1)

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Picture_2_7年末ということで一年を総括すると同時に来年への橋渡しとしてブログのテーマであるDRM進化論についてまとめてみる。書き始めると長くなってしまうので数回に分けて書くことにする。この図は出版流通の課題と進化の様子を表したものだ。きっかけとなったのは最近話題になっているChris Andersonの「FREE」だ。ぼくの頭の中でもやもやしていたものをAndersonはかなり明確に言い切ってくれた。もちろん中には疑問の点もあるし、極論に走っている面もある。また業種によってのニュアンスの違いもあるだろう。だが、ぼくが気にしている出版については強烈にインパクトのある提言になっている。各論に入る前に一言でこの図を説明すると、インターネットや電子技術を利用することで非常に低い費用でマーケティングすることによりこれまで到達できていないユーザーに商品を販売することができるようになるということだ。Andersonは「FREE」の中で、競争社会では商品の価格は限界費用に限りなく近づき、電子コンテンツの場合はその限界費用はゼロに限りなく近づくと言っている。

出版社、取次、書店の流通が再販、委託といった古い制度のために硬直化し本来の機能を果たすことができなくなっている。特にインターネットを中心とする新しい技術によって定義されつつある新しい流通を自らのものにできずにいる。これまでの出版流通は取次を通した書店での販売に依存しており、書店での陳列が基本的にマーケティングのすべてである。これではTAM(Total Available Market)、総可能市場の多くの部分にリーチすることができていない。結果として販売の最大化はされていない。Amazonなどのネット書店がそれを補完しているが限界がある。

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プロフィール
成井秀樹写真
アスキーにてMS-DOSなどマイクロソフト製品の日本市場導入にかかわり、西社長(当時)やマイクロソフト社長ビル・ゲイツ(当時)から薫陶を受ける。99年アイドック株式会社を創業、05年PDFコンテンツの著作権保護ソリューション「KeyringPDF」を開始。07年、国内初のSaaS型FLASHコンテンツ保護ソリューション「KeyringFLASH」を開始した。デジタル著作権保護の第一人者。趣味はフライフィッシング、東京外国語大学卒、東京都出身。
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