なるいのDRM進化論

成井秀樹のKEYRING通信

ITmediaのオルタナティブブログにもより幅広い話題で執筆しています。
抄録をこちらに載せていますので、ご興味ある方はITmediaの方もご覧ください。

カテゴリ:電子出版

ソーシャルリーディングってどう考えたらいいのだろうか?読書体験の共有って言うけどよく分からないねえ。

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上の画像はCOPIAにログインした状態

電子書籍の広まり(日本じゃ全然広まっていないけど)とともにソーシャルリーディングって言うことが言われるようになってきた。具体的に何を指す言葉なのか曖昧だが、電子書籍先進国であるアメリカのサービスでCOPIAと いうのがある。電子書籍をベースにしたSNSと言っていいだろうか。早速登録してみたが、まだよく分からない。Dan BrownのThe Lost Symbolを試しに登録してみたが、誰とどのように繋がっているのか不明だ。サービスについてCOPIAは、With social features built in, eBooks become weBook.と言っている。要するにEbookをベースにして議論したり、推薦したり、仲間になりましょうってことらしい。

日本では既存の読書SNSとして、ブクログ読書メーターなどがある。どちらもWeb上に自分の書棚を公開して同じ興味を持つメンバー同士でコミュニティを作ろうってものだ。これらのサービスは電子書籍とは直接関係なく読むのは紙でも電子でも関係なく、読書の体験を共有することを核にしたSNSだ。

アメリカには昔からBook ClubまたはBook Discussion Clubという組織があり、そこを通じて読書に触れるという習慣がある。定期的に集まって自分の読んだ本や読もうと思っている本について発表したり議論し たりするものらしい。Discussionを議論と訳すと固いが、お話しましょうってことだろう。中にはいわゆる輪読と言った形式もあるのだろう。広義の Book Clubにはこういった活動を通して本を販売することを目的とした組織もある。なんでもありのClubもあれば、カテゴリを限って、ミステリやハーレクイ ンなど共通の興味にしたがったClubがたくさんある。こういった文化の背景があるのでSocial Readingといっても合点がいくのだろう。

こうしたClubがメディア化して、ラジオやテレビの番組になったりもしている。インターネット時代に入ると、独立系のサイトがたくさんできたりし ているが、やはり一番多くの人が集まるのはFacebookのコミュニティだろう。日本にもBook Club的なものはあるのだろうが、活発なものは少ないようだ。Mixiの中にも読書系のコミュニティがたくさんあると思う。また、こうした固定的な会員 同士のコミュニティとは別にTwitterなどの柔らかい流動的なハッシュタグで繋がったコミュニティもある。

ということでソーシャルリーディングとは何も電子書籍の専売特許ではなく、読書体験をベースにして繋がりましょうということだろう。もちろん電子書 籍になればよりダイナミックにコンテンツとコミュニケーションが一体となった体験を実現できる。ここが電子書籍の発展とともにソーシャルリーディングにつ いて活発に語られるようになった原因だろう。

私の専門であるDRMの立場から言うとコンテンツのどこまでをどのように引用していいものかなど課題があるのだが、それは小さな話でいかようにも解決がつくことだろうと思っている。

KindleにはPopular Highlightといってユーザーが引いたアンダーラインを共有できる仕組みがある。残念ながら自分はKindleでそんなに読んでいないことと、読む本が偏っているので、他人が引いたアンダーラインに出会ったことがまだ無い。

読書ではないが、日本にはニコニコ動画というソーシャルウオッチングの優れた仕組みがある。動画を共有しながらコメントを共有することができる。あ まり創造的で意義のあるコメントというのを見たことがないが、くだらないコメントであっても動画をベースにした体験の共有と言えるだろう。

電子書籍がSNS的なものと連動していく仕組みは今後どんどん開発されてくるだろう。これに紙媒体の書籍も統合されて面白いサービスが出てくることを期待する。

新しいePUBリーダー二つを紹介する。こういった新しいリーダーソフトが自由に作れるところが標準フォーマットの真髄。

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新しいePUBリーダーがいろいろと出てきているが、その中から注目の二つを日本とアメリカから紹介する。このようにいろいろなところから次々にリーダー が開発されてくるところが標準フォーマットの醍醐味だろう。日本でも早くEPUBでの電子書籍が多く出てくることを期待する。

bREADERをiTunesから抜粋して紹介する


bREADERは青空文庫などの電子書籍を読むためのiPhone/iPod touchアプリケーションです。縦書き、横書き、オートスクロール表示など自由なスタイルで本を読むことができます。

-ePubファイルのテキストの表示とマージンに係わる基本的なcss属性をサポートしています
-スタイルシートを用いたカスケーディングも可能です
・表示関連機能(青空文庫形式、ePub形式)
-縦書き表示、横書き表示を切り替えることができます
-オートスクロール機能で画面に触れることなく本を読み進めることができます
-読書中に設定画面を呼び出すことなくいつでもで文字サイズや行間を調整できます

青空文庫ビュアーを拡張してePUBをもサポートしている。ePUBコンテンツを縦書き表示してくれる。試しにインプレスが始めたOnDeckとい うEPUB形式の雑誌を読んでみた。見たところちゃんと縦書きで表示しているようだ。(下の画像参照)OnDeckは横書き前提で作られているはずだが、 ちゃんと縦書き表示もできている。その他の機能としては文字サイズの変更がStanzaのようにピンチ操作でできるのもいい感じだ。

Bookwormはオライリーが進めているオープンソースのプロジェクト。ePubファイルをアップロードして管理できる。Webブラウザ上で閲覧することができる。Bookworm上で閲覧するのはもちろん、各種リーダーへのダウンロード機能も備えている。

オライリーは積極的にEPUBによる新しい書籍閲覧インフラを進めている。このようにWeb上で書庫管理できてブラウザーですぐに読めるところがい い。やはりOnDeckを登録してみた。(下の画像参照)ブラウザーでのおそらくWebkitを使っての表示なので専用のリーダーソフトのような表示には ならないが、今のところPC上ではこれでもいいかと思う。PC上でEPUBを読むにはAdobeのDigital Editionが標準ということになっているが、正直言ってDigital Editionで読む気にはならない。段組など機能は多いのだが、表示自体が読ませることを意識しているとは思えない。(下の画像参照)

画像はそれぞれ上から、bREADER、bookworm、Digital Editionでの表示。bREADERはiPhone対応のものをiPadでx2表示したものなのですこしぼけている。

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Dijital_edition

DRMとビュアーの関係。DRMの標準化はあるのか?ビュアーとDRMの組み合わせが電子出版の多様性を生む。

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だいぶ前に(つづく)として終わっていたものを続ける。前回は電子書籍のフォーマットの統一という課題について触れた後、それに対応してビュアーやDRMの統一ということが意味あるかというところまで述べた。

そ して次がDRMだ。PDFやiPadなどの標準フォーマットを使ったコンテンツでも、その方式をサポートする端末間で互換があるわけではない。iPadで 買ったePubコンテンツをSony Readerで読むことはできない。それぞれ、コンテンツには何らかのDRMが施されているからだ。ただし、Kindleで買ったAZWコンテンツを iPadのKindle for iPadで読むことはできるし、今後AmazonがePubコンテンツを販売はじめた時にも同様だろうが、そのePubコンテンツをAppleの iBook Readerで読むことはできない(と思う)。別の言い方をすれば、そのコンテンツが読めるかどうかは方式だけでなく、DRMとビュアーの組み合わせが決 め手となる。そしてこれはベンダーのビジネスモデルと密着した事柄なので、誰かが業界で統一しましょうと言っても無意味な話である。

音楽コンテンツと違って、書籍や雑誌コンテンツはより多様性に富んでいる。音楽は基本的にスピーカーやヘッドセットで聞くということが消費の形態で あるのに対して、書籍や雑誌の場合はそのように単純化したビュアーを定義することはできない。フォーマットは統一される必然性があるが、読書端末やPad 系端末などハードウェアとしてのビュアーやアプリケーションとしてのビュアーも含めて、いろいろなものが開発され進化していくことが期待されている。

例えて言えば、AdobeのPDFフォーマットは画像の高品質でのポータビリティを達成する技術として卓越していて、完全な業界標準として定着した フォーマットで、それを閲覧するためのビュアーソフトとしてのAdobe Readerはコンピュータの世界では標準ツールになっている。PDFがビジネスやデザイナーのツールとして使われていた時代はこれでよかったが、PDF を電子書籍フォーマットとしたときにAdobe Readerだけがビュアーで良いとは思われない。同じPDFフォーマットを使いながら、もっと便利でリッチな体験を提供するビュアーができるはずだ。実 際に電子書籍の世界ではPDFを入力フォーマットとして使いながら、Flashの技術を使ったりしたリッチなビュアーがたくさん存在する。同様に iPhoneやiPad用には様々なビュアーソフトが開発されている。AdobeもDigital Editionを用意して、よりリッチな読書体験を提供しようとしている。

DRMはそのもともとの趣旨からしてビュアーと共に動く仕組みだ。権利者の意図に基づいた閲覧をユーザーに提供するにはビュアーと一体となった DRMが必要だ。そのDRMが標準化されたとすると、コンテンツの配信や閲覧の仕組みが画一的なものになってしまい、せっかくのデジタルコンテンツの多様 性を阻害してしまう。現在市場にある多くの電子出版プラットフォームの中でAmazon Kindleが一番理想的に見えるのも、Kindleビュアー(Kindleだけでなく異なる端末上のビュアーソフト)によって、ユーザーにDRMによっ て縛られているという感覚を感じさせることなくコンテンツの消費を楽しめるプラットフォームを提供しているからだ。かと言って、AppleやGoogle のEbookサービスが同じKindle DRMを使ったら良いわけではない。それぞれビジネスモデルも違うし共通化する意味は無い。ビュアーとDRMの組み合わせが電子出版の多様性と発展進化を 支えるものだ。

Amazonのアーティストセントラルと著者セントラル。Amazonの強さの秘密のひとつがここにある。

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上の図はAmazon(日本とUS)のサイトからクリップしたアーティストセントラルと著者セントラルの例。USのサイトからは私の好きなDan BrownThomas Harris。日本からはランダムにDreams come trueAKB48、それに村上春樹村上龍のお二人だ。小さくて見えないかな?ということでそれぞれの名前に各ページへのリンクを貼っておく。ドリカム以外は私の好みではないのだが、有名だということで参考に使わせていただいた。

日本では昨年の8月末から始められたAmazonのサービスだ。アーティストセントラルも著者セントラルも考え方は同じで、Amazonに一つでも 作品(CD、DVD、書籍)が登録されていればその作品の著者や代理として出版社などがそれぞれのページをAmazon内に編集して登録できるというもの だ。それぞれ別に著者サイトやブログを持っている場合でも、このようにAmazon内に自分のページを設けて、作品を紹介したり自分について語ったりメッ セージを発信できるというのは大きな意味がある。

Amazon内の著者ページストアに行くと積極的に情報発信している作者がリストされている。簡単なプロフィールを載せているだけの人も多いが、自ら作品について語ったり、作品の一部を動画で紹介したりしている作者も増えて来ている。

従来のアナログ媒体(紙やCDなど)でも電子媒体でも同じことだが、コンテンツをネットで販売する際に一番重要なのはそのマーケティングである。コ ンテンツをAmazonやiTunesなどのように、どんなに有力なプラットフォームに登録しようとも、それだけでは無数のコンテンツの中に埋もれてしま う。また商品リストに付けられる説明や解説だけでは、その商品を積極的にユーザーに訴求することはできない。つまり、作品そのもの以外に様々な形での情報 発信が必要になってくる。それらが有機的に繋がって最終的にAmazonやiTunesに誘導される。作者または出版社がおこなうブログやTwitter での日頃からの情報発信が非常に大切になってきている。そういった情報発信の場所を自らが影響力のあるサイトであるAmazon内に置くことでSEO効果 が抜群に上昇する。

私がピックアップした人たちはもうすでに名が売れているので、べつにAmazonのセントラルが大きな意味を持たないが、他の99%のアーティストや著者たちにはこういった行為が決定的な意味を持つ。

アメリカの場合はFacebookが大きな役割を果たしているが日本にはそれに相当する場がないので、ことさらにAmazonのxxxxセントラル は重要な意味を持っている。またアメリカの出版社やエージェントと呼ばれる人たちの大きな役割がこういったネット上の情報発信をどのように効率的に行うか にある。日本ではまったくこう言ったことが出版の機能として行われておらず、意欲のある、またはモノ好きな作者の個人技に任されている。

今後日本でも電子出版が本当に立ち上がることを切望するが、その時こういった周辺のサービスが重要になってくる。アイドックのDRMをベースにした ソリューションも単に電子コンテンツの流通を支援するだけでなく、マーケティングや広告としての電子コンテンツを支援するものでありたいと考えている。アイドックのサービスはこちらへ

ゼロサムでは無いということ。紙と電子、出版の行方は。新しい価値の創造が求められている。

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毎年秋も深まると街路の銀杏は葉を黄色くし、その葉は地上に落ちて朽ちていく。何年もの間、出版業界はマイナス成長を続けている。先進各国が成長の鈍化またはマイナス成長に耐えているのと似ている。これをあたかも補うかのように電 子媒体による出版が立ち上がりつつある。これが問題だ。どう考えても電子出版は紙媒体の出版の落ち込みを補うことはできない。このことは出版界の人たちは 分かっている筈だ。しかし、こういった自らの状況を正確に冷静に判断するのは非常に難しいようだ。だれでも自らがやってきたことが衰退していくのみで救い が無いということは信じたくない、信じたくないと思う気持ちがありもしない救世主を見つけてしまう。たまたま紙媒体のビジネスが先細って行く時に同期を とったように電子媒体のビジネスが立ち上がって来たので、人は「ああ、紙が減って電子に置き換わるのだ」と勘違いしてしまうのだろう。

実際、これはとんだ勘違いで、紙が減るにしたがって電子が増えるのでは無く、実は両者は大した相関関係を持たずに動いているようだ。大きな流れとし ては紙が減るのに呼応して電子が伸びるように見えるが、電子が紙を補完するという望みは起こりえない奇跡を信じることに等しい。経済学で言うところのゼロ サム社会、

経済成長が停止して資源や富の総量が一定となり、ある者が利益を得るとだれかがその分だけ不利益をこうむる社会。米国の経済学者サローの用語。
で は無く、非ゼロサムまたはマイナスサムと呼ばれるゲームが進行している。参加者全員が敗者となるゲームだ。競馬などのギャンブルでは、敗者から集めた金を 勝者で分けるため、原則としてゼロサムになる。非ゼロサムの代表は株だ。上がる時は全員が上がり、下がる時には全員が下がる。株価が上がれば時価総額が増 え、その増えた分だけ価値が生まれている。上がる時には時価総額が増えた分だけみんなが得をし、下がる時には時価総額が減った分だけみんなが損をする。 この悲劇的な状況から脱するには、土俵を変えるしかない。新しい価値の創出をしなければならない。出版という会社の株価を上げなければならない。出 版界にはそれが求められているのだと思う。紙を電子に変えただけでは先細りを防ぐことはできない。コンテンツビジネスに対する考え方を180度とは言わな くても90度変える必要がある。音楽や映像などの同じコンテンツビジネスの進化は出版界にとって大いに参考になる。CDもDVDも売れなくなってダウン ロード型のコンテンツ配信に置き換わって来た。だが、そのダウンロード型のビジネスはCDやDVDといったパッケージ型のビジネスの落ち込みを補うことは なかった。補っているのはコンサートやイベント、その他のグッズの販売、または広告などによる他のビジネスとの連携などだろう。果たしてその総和がプラス になっているのかは分からないが、音楽業界がそちらの方向を見ているのは間違いなさそうだ。(つづく)

インプレスのEPUBマガジン OnDeckを読む。EPUBによる出版の幕開けか!

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12月22日にインプレスR&DからOnDeckという名のEPUBフォーマットによる雑誌が 創刊された。これまでにもEPUBの雑誌の例はあるが、メジャーな出版社からの定期刊行物としては初めてだろう。内容は基本的には電子書籍、電子出版につ いての話題と情報発信だ。EPUBなのでページという概念は無いのだが、PDF版も用意されているのでそちらを見ると78ページだ。面白いのはEPUBを 読めない環境のためにPDF版を用意してあるということなのだが、その制作方法が普通と違っていて、まずEPUB版を作りそこから簡易的なPDF版を作っ たらしい。そのためPDF版といっても全て画像で拡大するとブロックノイズが見られる。あくまでもEPUBで配信する電子雑誌なのであって、PDFは補完 的なものだということだ。

内容の中では、創刊号ができるまでというOnDeckのメイキングが担当者によって語られているところが面白い。本格的なEPUBによる雑誌を始め るまでの苦労と試行錯誤が率直に語られていて同様のことを目指している人には大いに参考になるだろう。まずEPUBで作る時に台割をどうするかというとこ ろから始まって、画像の扱いをどうするか、SVGなのかJPEGなのか、表組やフォントをどうするかなど、紙の出版をしてきたチームがEPUB出版を始め る時にぶつかる問題が具体的に説明されている。

EPUBということでまずはiPadのiBooksやStanzaで読んでみる。両者ともそれなりにこなれたEPUBビュアーなので大きな問題はな いが、自分の好みで言うとStanzaの方が自然な感じで好きだ。他にはMacのAdobe Digital Editionで見たが、これはいただけない。なぜPC用の優れたEPUBビュアーを誰も出さないのだろうか?これは疑問だ。Digital EditionはEPUBを表示するだけでなく文字の大きさによって段組表示もするのだが、操作性や全体のデザインなどIOSでのビュアーに比べると格段 に見劣りしてしまう。自分では試すことができなかったが、関係者の話ではAndoroid系のEPUBビュアーが一番よかったとのことだ。(ビュアーの名 前は失念してしまった。)

今後EPUBとWEBの垣根がどんど低くなりEPUBの表現力が高まってくると、これまでは難しいとされたグラフィカルな雑誌でもEPUBでという ことが現実化してくると思われる。現在はまだEPUBの表現力が乏しいのでPDFや他の画像にしたり固有のアプリケーションを作ったりということが行われ ているが、今年一年でここいら辺は大きく変わっていくだろう。アイドックではbookendでEPUBをサポートする予定だ高付加価値のEPUBコンテンツが出されるようになるとDRMのニーズも高まって来る。

下の画像は上から、Stanza、iBooks、Digital Editionでの表示の様子。

Stanza2


Ibooks


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山田泰氏の『「最後」の新聞」』を読む 新聞というメディアの可能性を再発見

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正月休みにまとめて読んだ新書の中の一冊。「最後」の新聞というタイトルにひっかかった。以下はAmazonからの引用
「最後」の新聞 ~サッカー専門紙「エル・ゴラッソ」の成功~ (ワニブックスPLUS新書) [新書]内容紹介 日本初、ワン・アンド・オンリーのサッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」紙。

創刊6年で、週3回、発行部数20万部を誇るスタイリッシュなこの新聞は、製作・流通・読者開拓で、宅配&駅売り・DTP製作・地方在住の契約ライター群による取材網など、新旧のシステムを大胆に併用し、紙で作られた「新聞」の最終進化形を示しています。

同紙の創刊者が綴るサッカーへの愛と、自由なメディア実現のサクセス・ストーリーが、勇気を与えてくれます。
内容(「BOOK」データベースより)
「サッカーだけが載っている新聞を新しく作れないか?」2002年日韓ワールド・カップの決勝戦の日、閃いたこのアイデアを実現させるために、"ずぶの素 人"が、新聞発行に向けて猛進し、遂には週3回発売、発行部数20万部の「エル・ゴラッソ」が出来あがります。世の中では、すでに新聞メディアの衰退、危 機が囁かれて久しく、そんな時代に、なぜ敢えて、どのような方法で「新聞」は甦ったのか。いや、それは、本当に「新聞」の再生なのか。

最近は新聞といえば雑誌と同じようにビジネスモデルが崩壊して急激に存在感を失いつつあるメディアとして取り上げられることが多いが、その中でこの タイトルに惹かれて読んでみた。タイトルからはまた廃れいく旧メディアの話かとおもいきや、新聞って捨てたものでは無いという若者の提言だった。ワールド カップに刺激を受けてサッカー情報のメディアを始めた山田氏がネットではなく敢えて新聞という古いメディアを使って情報を発信始めた話だ。新しく新聞を作 るにあたって従来の新聞の組版の仕組みを使わずに雑誌制作の手法で始めた経緯や、新聞の読者に対して「経験・体験」(エクスペリエンス)を与えるのが使命 という発想が新鮮だ。

「ゼロベースから作れば、新聞は成功する」と山田氏は強調する。新聞を完成された流通ネットワーク機能を持った優れた媒体であると評価している。確 かに前日の深夜から早朝にかけて紙面が作られて、印刷、配送されて翌朝には読者に届いているというシステムは他には無いものだ。ネットワークが発達して Web上での情報はもっと素早く安く届けられているのは誰でもが知っていることだが、新聞というパッケージメディアの老舗の再評価は新鮮だ。「エル・ゴ ラッソ」というサッカー情報紙を見たことは無いが、この本で紹介されている写真を見ているとなかなか魅力あるようだ。

専門性の高い情報をパッケージしてターゲットされた読者に届けるというメディアの根源的な機能を実現して見せてくれているようだ。Webや携帯端末 ようにも情報を発信しているがそれはあくまでも補完的なもので新聞があくまでも主なメディアになっている。山田氏のやっていることは日本の大新聞から見れ ば小さな小さな実験に過ぎないかも知れないが、多くの示唆に富んでいる。これからの新聞のありようを考える時、参考になる試みだ。もっとも日本の大新聞の 経営者にはこのような新聞の初心に帰ったような見方は到底できないだろう。朝日にしても日経にしても、思い切ってリストラ(人斬りではなく本来の意味で) してスリム化しそれぞれ専門性を生かした新聞を目指すことはできないものだろうか?800万だ1000万だとか言う水ぶくれした読者数を守るのではなく、 アメリカのQuality Paperのような姿になることがビジネスとしての存続に繋がるし、読者もそれを望んでいると思うのだが。

ちなみにPC向けにPDFで発信している情報はアイドックの
KeyringPDFのDRMが使われていた。このブログを書くまで知らなかったので嬉しいサプライズだった。 


ePUBの対応を始めます bookend

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多くの皆様をお待たせしてしまいましたがbookendでのePUBのサービスを発表いたします。

アイドックでは今年も引き続き皆様にDRM技術をコアとした多彩なサービスをお届けしていきたいと考えております。いっそうのご愛顧をお願いいたします。

さて、今年も積極的にセミナーを開催して皆様にKEYRING.NETのサービスの内容を知って頂きたいと考えております。1月は20日と27日の 二回です。 内容は、iPad/iPhone用のbookendによるePubサポートとMac用のbookendのご紹介です。 電子出版もいよいよ本番を迎えePubやMacなど幅広いフォーマットとプラットフォームのサポートが求められています。セミナーではこれ以外にも今後予 定している開発の計画をお話させていただきます。

この度、ご参加者特典といたしまして新規のご契約の場合、 bookend(ブックエンド)の初期費用 198,000円が無料になるキャンペーンを行います。この機会にぜひご参加いただけますようお願い申し上げます。

ミナープログラム
1. bookendで広がる電子出版の世界
2. PDFとePub、オープンなフォーマットで電子出版を行うメリット
3. PDFでもePubでもDRMで安心して配信
4. DRMがあるからこそできる多彩なビジネス
5. コンテンツ保護とユーザビリティーを両立できるサービス
6. 出版社、販売会社、ユーザーにやさしいシステム
7. 電子出版マーケティング機能も搭載
8. 今後のbookend機能拡張内容と予定
9. bookendでの電子出版ビジネス展開事例
10. アイドック製品紹介(今日から電子出版、KeyringPDF)

凄いサービスが始まった eBook Exchange

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screen_shot_20110107_at_14113_am_2.pngeBook Exchange.incがAmazonまたはBarns&Nobleで買った電子書籍の貸し借りをマッチングするサイトを公開した。eBook Exchange

仕組みを簡単に紹介する。例えばAmazonで買った電子書籍を「貸します」といってリストに登録する。借りたい人はリストから自分の読みたい本を 選んで「借ります」と登録する。マッチングが成立すると貸し手にメールで連絡が行く。貸し手はAmazonのサイトで借り手に貸すための手続きをする。後 はAmazonの仕組みで14日間借り手はその電子書籍を読むことができる。貸し手はその間はその電子書籍を読むことができない。14日間が終わると電子 書籍は貸し手の元に戻る。本当にeBook Exchangeはマッチングをしているだけだ。

興味あるのはそのビジネスモデルだ。借り手は借りる前でも後でもいつでもContributionをすることが求められている。ただし、これは Optionなのでまったく支払わずに借りることもできる。貸し手はリストする際に希望のContribution額を設定することができる。eBook Exchangeは2011年の間の利益はすべて児童の読書啓蒙のために寄付するとしている。100% of eBook Exchange profits in 2011 will go to charities focused on childrens' literacy and fostering a love of reading as an education multiplier. Lend an ebook; do some good. つまり、貸し手にはなんら支払いは行われない。eBook EchangeのVisionとしては、電子本を死蔵させずに社会のために有効活用しましょう。そして借り手はContributionを行いそれは児童 の読み書き能力増進などのために使いますって言うわけだ。

将来的には著作権者への二次ライセンスの還元など電子本のより有効な活用を提案していくとしている。単に紙の代わりに電子になったというだけでな く、電子であることの利点を活かして、作者、出版社、書店、読者、社会のためになる仕組みを作りたいとVisionを語っている。もちろん、自らのサービ スでの収益も目標にしていることは隠していない。2011年の全ての利益を福祉に還元すると言っているが、それは全てをボランティアで行うという意味では なく必要なコストは当然回収するということだ。

電子本の社会レベルでの利用をこうして高めるというのは大賛成だが、果たしてこのビジネスは成立するのだろうか?まずはAmazonや Barns&Nobleはこうしたことを納得しているのだろうか?出版社はどうか?作者は?紙の本で比較すると、ブックオフはその収益を著者への 二次印税として還元したり社会に還元するって言わなければならなくなる。別に電子でなくても同様の仕組みは実現できるのだから。などなど、私なんかはすぐ 否定的なことを考えてしまうのだが、こういったことをすぐに実行するベンチャーそしてそれを許す社会が羨ましい。日本では電子本の各プラットフォームは自 分の中に閉じこもることしか考えていないので本人が他の端末で見ることさえ許されていない。ましてや他人との間で貸し借りを斡旋するなど別の世界の話だ。

本来DRMというのはこうした新しいサービスを構築するベースとなる技術で、実際に著者や他の権利者への還元なども厳密に行うことができる。Keyring,netもこうしたチャレンジを続けていきたい。

DRM進化論、だいぶ遅れてしまった「つづき」

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4月にDRMについて書いて「つづく」と締めてから5ヶ月も放置してしまいました。この間いろいろな方にお叱りや励ましをいただいたりもしました。諸事に紛れて、またはTwitterにかまけてブログを放置してしまったことをお詫びします。これから心を入れ替えて精進いたしますのでお許しください。ということで再開の最初は初めから手を抜いて今週ある会で講演させていただいた時に使ったスライドから最初の三枚をUPいたしました。DRMについての思いといつも考えている電子コンテンツを使った書籍流通の考え方をしめしています。コメントも多く書いてあるのでぜひ読み取ってください。さて、来週の7日にBBA(Broadband Association)主催のコンテンツ&アプリケーションWG第1回講演会 2010年10月7日(木)、海運クラブ(東京都千代田区)にて、「電子出版による流通の変化」~見えてきた電子出版流通の課題~をテーマに講演いたします。お時間と興味のある方はぜひご参加ください。


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「電子書籍の規格を統一すべきだ」という議論を考える。DRMはビジネスモデルと密着した技術。

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Amazon KindleやApple iPadに触発されて電子書籍または電子出版についての議論が活発だ。毎日のようにニュースが飛び込んでくるのでそれらをチェックするだけでも一苦労だ。その中で時々見かけるのが言葉の定義が間違っていたり曖昧なために議論が成立していない場面だ。例えば、「規格の統一が必要だ」ということがよく言われる。先日の政府三省のなんとか懇談会や大手出版社による電書協などの設立趣意書でも「規格の統一」と書かれているが、規格とは何を指しているのか、恐らく書いている本人もよく分かっていないと思う。

業界発展のために規格を統一しましょうというのはとても聞こえがいいのだが、いったい何を統一しようと言うのだろうか、またそれはどういったプロセスで行われたらいいのだろうか?

まず電子書籍を流通させるためのフォーマット(方式)がある。これまで紙にインクを乗せて配っていたものを、電子ではどうするかということだ。Amazon KindleでAZWという独自の方式が使われている他はPDFが主流で今後はオープンな団体で決められたePubというXMLをベースにした方式が主流になるとされている。Amazon以外はほとんど全てのハードメーカや書店がすでにePubの採用を表明している。Amazonも時間の問題でePubをサポートすると思われる。これ以外ではApple iPadなどを対象に出版社ごとに独自のアプリケーションとして雑誌などを配信することも行われている。iPhoneではすでに始まっていることだが、iPadの発売でよりリッチなコンテンツを作ろうと動いている雑誌社は多い。これはPDFだとどうしてもこれまでの紙媒体のままのデザインを踏襲する形になるし、ePubだとデザインとしての表現力に劣ることが原因だ。動画、音声、アニメーションを取り込んだ新しいコンテンツが作られる。ただし、これができるのは一部の有力な媒体に限られる。多くの媒体の中でこんな開発ができるのはほんの一握りの著名な媒体だけだ。ということで、当面、電子出版に使われるフォーマット(方式)としてはPDFまたはePubになる。

次はビュアーだ。ビュアーはPDFやePubといった方式のコンテンツを実際に描画して電子ペーパーや液晶の画面に表示するアプリケーションソフトウェアだ。Amazon Kindleなど専用端末ではハードとビュアーが一体になっているが、iPadなどのような汎用機では同じハードウェアの上に複数のビュアーが存在する。当然のことながら、同じフォーマットに複数のビュアーがあり得る。PDFもePubもビュアーという概念を内包していないので、端末にどのように表示するかはビュアーの役割だ。iPadにはすでにAppleのiBook Playerの他にKindle for iPad、Nook for iPad、Stanzaなどいろいろなビュアーが発表されている。ここらへんが話を混乱させている原因だ。

そして次がDRMだ。PDFやiPadなどの標準フォーマットを使ったコンテンツでも、その方式をサポートする端末間で互換があるわけではない。iPadで買ったePubコンテンツをSony Readerで読むことはできない。それぞれ、コンテンツには何らかのDRMが施されているからだ。ただし、Kindleで買ったAZWコンテンツをiPadのKindle for iPadで読むことはできるし、今後AmazonがePubコンテンツを販売はじめた時にも同様だろうが、そのePubコンテンツをAppleのiBook Readerで読むことはできない(と思う)。別の言い方をすれば、そのコンテンツが読めるかどうかは方式だけでなく、DRMとビュアーの組み合わせが決め手となる。そしてこれはベンダーのビジネスモデルと密着した事柄なので、誰かが業界で統一しましょうと言っても無意味な話である。

(つづく)

「今日から電子出版」始めました。

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PDFドキュメントの配布ソリューションとしてドキュメント認証というサービスを昨年始めてから多くの方にご利用いただいています。小規模な出版、教材の配布、企業の機密文書など様々な利用方法をむしろお客様に教えていただいた気がします。今回この仕組を使ってより出版社の方に利用していただこうと考えて用意したのが「今日から電子出版です。

出版社にとって始めて電子出版を始めようとするとどうしてもいろいろなことを用意しなければならなくなります。書籍の電子化(PDF化)はもとより、その商品としてのセキュリティの確保(DRM)、読者への配信方法、読者への課金方法など様々です。でもやり方によってはもっと簡単に安全に行うこともできるのです。

「今日から電子出版」を使うことにより、出版社は書籍をPDFで用意するだけで電子出版を始めることができます。PDFをサーバーにアップロードして暗号化と閲覧条件の設定を行います。暗号化されたPDFファイルをお客様にどのような手段で渡しても構いません。そのファイルは認証キーなしでは絶対に開封できないからです。サーバーで必要な数の認証キーを作成して読者にはその認証キーを渡す(販売する)ことになります。認証キーの渡し方も自由です。メールで送ってもいいし、紙に印刷したものを渡すこともできます。場合によっては電話で口頭で伝えることさえできます。

認証キーを貰った(買った)読者はそのキーを使ってPDFファイルを閲覧することができます。一つの認証キーで設定された台数のPCでPDFを閲覧することができます。例えば認証キー一つで100台のPCの閲覧できるように設定しておけば、会社などへのコーポレイトライセンスができます。同じ認証キーを共有して100台のPCまで見ることができます。

「今日から電子出版」の基盤となる技術は「ドキュメント認証」です。ですから閲覧条件として、印刷部数の制限、期間の制限、オフライン閲覧の期間制限などKeyringPDFの機能をそのまま使うことができます。

価格も考えました。これまでのドキュメント認証では毎月の定額によるSaaS提供でしたが、出版社の要望に答えてもっと柔軟にサービスを使っていただけるように、一定の金額をプリペイドしていただいて、利用に応じて引落して行く方法を用意しました。これにより毎月定期的に販売(配布)が行われない場合でもサービスを使っていただくことができます。またプリペイド方式の中に二つのモデルを用意して、少数の点数の書籍を多数の読者に販売する場合でも、多くの点数を少数の読者に販売する場合でも利用いただけるようになりました。

ぜひご検討ください。今月は2月25日に「今日から電子出版」の利用セミナーを行います。空席はわずかになっているようですが、お申し込みをお待ちしています。

本の価格は誰が決めるのか?Amazon vs MacMillan、不可思議な戦い

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Picture_5AmazonとMacMillanの間で奇妙な駆け引きが行われている。まだ新しいニュースで情報が錯綜していることと、両社とも正式なコメントを出していないので真相は明らかでないが、与えられた情報をもとに本の価格決定をめぐる主導権争いについて考えてみる。他の出版社と同様にMacMillanはAmazonとKindle版の価格について交渉または論争を続けていて、Amazonがつける$9.99を$15に上げるように要請していた。それが突然AmazonサイトからMacMillanの本が消えたというのだ。Usedや英国やカナダのAmazonサイトではこれまで通り売られているが、米国のAmazonからは消えたということだ。

ニュースソースによって表現が違っているが、あるところではMacMillanがAmazonから自社の書籍を引き上げたと言っている。実際にはそれは独禁法から言っても考えられないのでAmazonが商品リストから削除したのだと思われる。そこで単純な疑問としては何故Amazonはそんなことをする必要があるのかということだ。MacMillanからどんなプレッシャーがかかろうともKindle向けの価格を$9.99でもなんでも自由に設定すればいいではないか?逆に言えば、MacMillanは電子本の卸価格を上げることでAmazonに圧力をかけることができる。AmazonがKindle用には赤字で売っていると言われることがあるが、それもAmazonの自由のはずだ。僕はアメリカの独禁法に詳しい訳ではないので間違っているのかも知れないが、どこかの国と違って、アメリカでは書籍だろうが他の商品と一緒で自由販売が原則のはずだ。流通の上流にいる者が下流の価格を制限することはできない、できるのは自分の卸価格を決めることだ。

MacMillanが紙媒体の価格を維持するために、電子媒体の価格が極端に低くつけられることを望まないのは分かる。ただ、そうであれば電子媒体での販売をやめるかまたは卸価格を高く設定するばいい。一方Amazonが電子媒体を安く設定しようとする気持ちも分かる。電子媒体はどうしても紙媒体に比べて商品としての価値は低い。Kindleなどの電子読書端末で読む利点はあるものの、もしもKindle用の価格が紙媒体と同じかそんななに変わらなければ電子媒体はほとんど売れないだろう。$9.99は紙媒体の1/2もしくは1/3に相当すると思われるが、それが適性かどうかは市場が決めることで、現在は著者、出版社、小売、読者の間で適性な価格が模索されている段階だろう。もう一度言うがどこかの国のように書籍流通が拘束されていないアメリカではこういった市場での模索がダイナミックに行われているのだろう。

今回のAmazonとMacMillanの駆け引きもその一環だと思う。数日の内に妥当な線に落ち着くだろう。MacMillanとしても自社の紙媒体の商品がAmazonで販売されないというのは致命的な打撃だろうし、Amazonにとっても出版社とこのようにもめるのは得策ではない。出版社にとってはここに来てAppleやB&NやSkiffのように選択肢が次々に出てきているのでさらに強気になっているのも事実だろう。

よく電子本の適性価格は?ということを聞かれるが、それは個々のコンテンツごとに違うし最終的には市場が決めることだ。実際にAmazonではベストセラーになるような本が無料でKindle用に売られているケースがある。これは明らかにプロモーションとして電子媒体を使っている例だ。Kindleが始まった時、出版社はこぞって$9.99という価格に反発をしたが、2年経った現在は、落ち着いてそれぞれの適性価格を探している。

DRM進化論、出版流通を再定義する(4)日本電子書籍出版社協会の謎、出版社が21社集まって何をしようとしているのか?

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Picture_4日本電子書籍出版社協会の話題がかまびすしい。報道ばかりが先行していて当事者による発表を見ることができなかった。ということで、報道を要約すると、

日本の出版業界が「キンドル」の対応にあわただしい。キンドルの日本語版が出れば日本の出版社は共倒れになりかねないという危機感によるものだ。このため出版社21社が来月「日本電子書籍出版社協会」を設立することにした。競争関係にある出版社が異例に団結したのは、著作権法が「著述のデジタル化に対する権利は著者にある」と規定したためだ。ある出版社の関係者は、「Amazonが著者に直接交渉して電子書籍の出版権を得た場合、その本を最初に刊行した出版社は一切手を出せなくなる」と懸念している。Amazonがデジタル印税を紙の本の印税より多く支払うなど積極的に出てくる場合には資金力に弱い出版業界は身動きが取れなくなるという懸念が出ている。これに対応し、共同で電子書籍会社を設立してAmazonの攻略を事前に食い止めることが日本の出版業界の構想だ。出版社は日本政府に制度的支援を要請し、著者らから書籍のデジタル化権利を確保する方針だ。出版社は電子書籍のデジタル規格を統一する作業もともに進めていく。

まさにツッコミどころの多い内容だ。当事者の意図をどこまで正確に表現しているのか不明だが、とりあえずこれを当事者(21社の出版社)の意図としてとらえる。論点は大きく3つに整理できる。

1)Amazonと著者が直接交渉すると印税が上がる云々。こんなコメントを聞いて日本の作家達は黙っているのだろうか?たとえこれが出版社の本音だとしても、こんなにストレートに発言してまずいと思わないのだろうか?言い換えれば、出版社は著者を抱え込んで紙だろうが電子だろうが出版の自由は著者には無いと言っていると同じだ。また印税も出版社のコントロール下におくと宣言している。紙の出版を人質にして電子で出版する自由を取り上げようとしている。

2)共同で電子書籍会社を設立してAmazonの攻略を事前に云々。これも理解不能な内容だ。電子書籍会社とはいったい何をする会社なのか?Amazonの攻略を食い止めるとはいったい何をするつもりなのか?現在全国で書店が壊滅的に減少しているのに出版の落ち込みがまだそれほどではないのはひとえにAmazonのおかげではないのか?Amazonはすでに日本の書店流通のかなりの部分を占めている。書店が身近に無い人、書店に行く時間の取れない人などが本を買う手段は今やAmazonしかない。今仮にAmazonがなくなったら、日本の出版はすでに崩壊しているはずだ。「そのAmazonを食い止める」とは一体どういう意味なのだ。はっきり言えば、AmazonがアメリカのようにKindleで書籍の価格破壊を行うのを食い止めたいと言うわけだ。もっとはっきり言えば電子書籍でせっかく必死に守ってきた再販制度を壊されてはたまらないと言うことだ。こんなことは誰でも分かる事なのに、それをはっきり言わずに自らの行動を説明しようとするから訳の分からない文章になってしまう。

3)出版社は電子書籍のデジタル規格を統一する作業もともに進めていく云々。これも意味不明だ。アメリカではすでにePubというオープンなフォーマットで電子書籍を出版すると言うのは既定路線だ。Amazon、Google、Barns&Noble、Sonyなど主要な電子書籍ビジネスのプレイヤーはすでにePubをサポートすることを表明している。Appleだけが不明だが、おそらくAppleも電子書籍を扱うのであればePubをサポートしてくるだろう。ここで日本の出版社がこれから集まって新しい規格を作るというのか?ePubの仕様はオープンで縦書きなどの日本ほかの言語対応についても考慮されている。ただまだ実際に実装された実機が無いという問題があるが、これはいずれ解決されることだ。出版社が集まって何かすると言うのならば、こういった問題を認識して日本語ePubの実装をハードメーカーやソフトメーカーに働きかければいいのだ。

上記3点の論点を総合して言えることは今回の動きは出版社が書籍ビジネスの流通における価格決定権を確保しようとしているということだ。現在のように紙媒体での出版が99%を占めている段階では出版社の価格決定権が確保されている。著者には数%から10%の印税を払い、残りの流通における価格は再販制度という埃だらけの鎖で守られている。結果として書店の数は激減し、返本率は50%に近づき、出版社は自転車操業のためにひたすら粗製濫造を繰り返し、気がつくと誰もが利益を上げられないビジネスになってしまった。

確かに、AmazonのKindleは日本の出版界にとって黒船になる可能性がある。電子出版が行われるようになるとAmazonのように力のある書店や流通業者が著者と直接交渉して印税を決めることができる。著者は自らの作品の知的価値を自ら決定できる当たり前の状態になる。電子コンテンツには再販維持は認められないので書店や流通は状況に応じて自由に価格を決定できる。ここで重要なのは著者が最初の価格を決めるが、その後流通の段階では他の商品と同じように市場の原理で価格は変動することができるということだ。書籍が始めて普通の商品になる。著者との印税契約が%で決められていれば流通の価格に応じて印税も変化する。電子書籍はまだ揺籃期で紙媒体のビジネスを左右するほどの力は無いが(雑誌や新聞または実用書、教科書など例外も多いが)出版社としては電子書籍が鉄壁の出版社による価格コントロールの蟻の一穴になることを恐れている。

以上のことは別にぼくでなくても、誰もが理解できることなのに今回の報道でもマスコミは全く触れない。「出版社が大同団結してAmazonに対抗」みたいなまったく意味不明なコメントしか書けない。実はぼくは電子書籍について一般とは違った見方をしているのだが、これはまた別の機会に触れよう。

DRM進化論 出版流通を再定義する(3)日本の出版界は新しい形のガラパゴスになってしまうのか?

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Picture_1

写真上はガラパゴスイグアナ、Wikipediaによるとガラパゴスとは

技術やサービスなどが日本市場で独自の進化を遂げて世界標準から掛け離れてしまう現象のこと
だ。これまでIT系ではPCや携帯、HDテレビ放送などが挙げられる。これまではどちらかというと日本の技術が先行して他の世界とは違った規格を先行させてしまうといった感じがあったが、最近の電子書籍市場の動きを見ているとなんだかこれまでとは違う様子だ。

昨年末から正月にかけてアメリカでは様々な形の電子書籍端末やタブレット端末が発表され、いよいよ電子書籍/雑誌/新聞ビジネスが花咲こうとしている。とかく新しい端末のハード仕様に眼が行きがちだが、本来注目すべきはそれぞれの狙っているビジネスモデルだ。電子ペーパーだろうが液晶だろうが、3GだろうがWiFiだろうが本質では無い。本質は巨大な出版ビジネスの覇権をどこが支配するかということだ。2年前にAmazonがKindleを始めてからすでにアメリカでは書籍や雑誌または新聞の価格の決定権をだれが持つかということが争点になっている。流通において価格決定権はビジネスにおいてそれこそ決定的な意味を持つ。ここに既存書店系、出版社系などの新規参入があり、春にはIT系としてアップルの参戦も予定されている。いつものことながらこのように市場が新しい技術によってダイナミックに変わっていく姿を見ると、アメリカという社会を羨ましく見てしまう。

日本の技術力をもってすれば素晴らしい機能の端末ができるし日本のインターネットは世界有数のブロードバンドを実現している・・・・なのに、日本の出版界は全く動こうとしない。日本の出版業界はあたかもAmazonやAppleが日本上陸を果たして仕組みを作ってくれるのを口を喰わえて待っているかのごとくだ。それはそれで良いのかも知れない。いまさら日本独自の仕組みを作って世界に広める力は無い。問題は電子書籍のフォーマットがePubになろうとしているのに日本語のePubを作るソフトウェア環境がまったく用意できていないことだ。AdobeはIndesignでePub出力をサポートしているのだが欧文対応のみだ。先日日本のAdobeの話を聞く機会があったが、日本語ePubの対応の具体的な予定は無いとのことだった。これまでのガラパゴスは日本が技術的に進化し過ぎて世界の標準と合わなくなったという感じだったが、今回は完全に日本は世界の進化について行けずに取り残された状態だ。このままePubの日本語が出遅れるとKindleなどの海外の電子端末も日本では不完全なものになってしまう。Appleがどういった仕組みで始まるか不明だが電子書籍をやるからにはePubということになるだろう。その時、日本の電子コンテンツが画像ベースのコミックだけというのはいかにも残念である。

これが未来の雑誌?確かに楽しい、でもこれは雑誌なのか?

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Time Warnerが未来の雑誌のコンセプトとしてこんなものを作ったとTechCrunchで紹介されていたものだ。このビデオのような端末はおそらく来年にアップルから発売されることは間違いないので、後はこういったコンテンツが本当に出て来るのかということだ。確かにこのデモはよく出来ていし見ていて楽しいし、触っていても楽しいだろう。ところで果たしてぼくらはこれを雑誌と呼ぶのだろうか?

人は脳のみにて考えるものに非ず。

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R0010411タイトルで言いたかったことは人間の精神活動というものは身体のあらゆる場所で行われているということだ。デジタルでの知的生産活動を考える時どうしてもこのことが頭をよぎる。

作曲家も頭だけを使って作曲している訳ではないらしい。古典でも現代のポップスでも新しい曲を書くとどうしても自分のスタイルというものが現れてく る。それがその作曲家の才能であり個性と呼ばれるものになるのだが、そういったスタイルは癖と呼ぶこともできる。バッハにもモーツアルトにもベートーベン にも癖があった、始めての曲でも少し聞くだけで、「ああこれは誰だ」と推測が可能だ。同様にB'zでもサザンでも同じことで曲はたくさんあるがどれもそれ ぞれの個性、癖を明瞭に聞き取ることができる。問題はそういったスタイルまたは癖がどこから生まれて来るかということだ。もちろん脳の中から生まれる部分 もあるが、それと同じくらい身体の各パーツから生まれて来る。


Read More at ITmedia Alternative Blog

国立国会図書館 vs Google? どちらか選べと言うのなら、やっぱり、Google?

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Images1
ImagesPicture_1毎日.JPの記事から

電子書籍:配信へ、提言機関を設立 不況の出版界は懸念の声

国立国会図書館が所蔵する「電子書籍」を利用してインターネットで有料配信するという構想が浮上している。ネット時代の新たな書籍の流通システムは、同図書館と作家、出版社の3者が協力し、早期の稼働を目指すという。しかし、出版界には「ますます本が売れなくなる」と懸念する声が強い。新システムの内容と課題を探ってみた。【合田月美、臺宏士】ネットでの有料配信構想を発表したのは、国立国会図書館(長尾真館長)と、出版462社でつくる「日本書籍出版協会」(小峰紀雄理事長、書協)、作家らで組織する「日本文芸家協会」(坂上弘理事長)。長尾館長や小峰理事長、三田誠広・文芸家協会副理事長らが今月4日に東京都内で会見した。3者が「日本書籍検索制度提言協議会」(座長・松田政行弁護士)を設立、国会図書館蔵書のデジタル化や有料配信システムづくりについて、来年4月に具体的な提言を公表するという。

内容をよく読むとGoogle book searchと瓜二つの内容だ。というよりも、より怪しいと思うのはぼくだけだろうか?今年の著作権法改正で国会図書館に限って著作権者の許諾がなくてもデジタル化できるようになり、補正予算で127億円増額された資金で1968年までに受け入れた90万冊をデジタル化出来る見通しだという。これを第三者機関「電子出版物センター」を作ってそこで管理するという。ご丁寧に説明としてJASRAC「日本音楽著作権協会」と似た機能を持つと説明されている。これはすべてGoogle Book Searchがやりつつあることではないか。先日Googleは外圧に屈して当面英語圏だけのサービスにすると言ってドイツ、フランス、日本などからの非難をかわしたばかりだ。

つづきはこちらへ、

Kindle、eSlick、iPhone、電子端末で「草枕」を読む。

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R0010889いよいよ電子書籍端末が現実的なものになってきた。アメリカではKindleがパイオニアとして市場を開拓しつつある中、Barnes&NobleはNookを発表しAppleのタブレット型Macが期待を持って語られている。Googleは自分の端末を用意する気は今のところ無いようだがその検索をベースとした圧倒的な影響力は既存の市場の期待を集めるとともに関係者を怯えさせている。電子ペーパーやAndroidOSなど技術要素に興味が行く傾向もあるが、ことの本質はビジネスモデルの構築だ。特に日本の新聞を含む出版界の停滞し閉塞し疲弊した状況を打破するには相当なパワーが要る。今後どのような展開になるのか興味あるところだ。このままだと、AmazonやAppleが日本市場も席巻しそうな勢いだが、どうだろうか?今のところ日本の出版界からは何の声も聞こえてこない。

つづきはこちらでお読みください。

さっそく、Kindle for PCを試した。ちょっとがっかり。

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Idoc3cojpAmazonからKindle for PCがリリースされたので、さっそく使い勝手を試した。まず最初の画面が購入した本のサムネールが並んでいるライブラリー画面、次が書籍を開いた状態。Kindleと同じ文字サイズや行内ワード数の選択画面。次が本の中をKindleでハイライトしたものがKindle for PCで表示されている画面である。

ぼくの第一印象ではがっかりさせられた・・・・

つづきはこちらで、


mixPaperが面白い。電子書籍はここまでシンプルになれる。

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Picture 6.png

mixPaperが元気だ。アイドックのパートナーで新潟のベンチャー企業、株式会社ファンタジスタが4月から始めている電子書籍投稿サイトで、一言で言うと電子書籍系のYouTUBEだ。考え方はYouTUBEと同じで、ユーザーは無料で自分の静止画系コンテンツを投稿することができる。JPEGまたはPDFのコンテンツをアップするだけで、Flash形式の電子書籍として公開することができる。有料プランだと大きな容量がもらえて広告も制限することができる。ただし、まだ始まってばかりでそんなに広告が取れているわけではないので、無料でもそんなに広告を気にすることはない。さらに法人向けとしてさらに大きな容量とカスタマイズ機能もついたサービスもある。アイドックのKeyringFLASHが標準で用意されているので、保護をかけたい場合はDRMを選択することもできる。こういったところはYouTUBEよりもビジネスを最初から意識しているところだ。実際に出版社がオープンな場で立ち読みを提供する場として使い始めている。出版以外でもいろいろな企業がコンテンツの提供手段の一つとして検討している。面白いサービスとしては結婚情報センターが結婚情報誌デジノッツェを始めている。個人情報を守るためにKeyringFLASHが使われている。まだまだ始まったばかりのサービスだが、ぜひ見て欲しい。

Picture 7.pngということで11月26日にアイドックでmixPaperの紹介セミナーを行うので興味のある方はこちらから申し込んで欲しい。ただし場所が限られているので今回は法人としての申し込みに限らせてもらう。

記事蔵を見ながらこう考えた。課金すれば角が立つ。無料にすると流される。意地を通せば窮屈だ。とかくにデジタルは住みにくい

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Img_1144今月から始まっているイースト社のニュース配信サービス記事蔵がおもしろい。共同通信社のニュースをiPhoneアプリとして販売している。これまで新聞社系でもポータル系でも専門的なものは除いて一般ニュースを課金して配信するというモデルはiPhoneには無かったと思う。「記事蔵(キジゾー)」は日本語ニュースを閲覧できる「共同通信ニュース by 記事蔵」と英語ニュースを閲覧できる「KYODO NEWS by Kijizo」の2種類がある。価格はどちらも350円。初回起動時から3ヶ月間の購読ができるので月額100円+ということだ。記事の移動が横スクロールで非常になめらかにできている。最近GoogleがFast Clipというサービスを始めたが、動きはそれに似ている。

つづきはこちらへ、

The Apple Reader powered by Apple? <br />AppleとAmazonの動きから目が離せない。

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 AppleのSteve Jobsが療養のために長期休暇に入っているのは、大変寂しい思いがする。Appleのコンファレンスも今年からはSteveに代わってほかの役員が行っているが、その役者不足の点はなんとも覆いがたいものがある。彼が今後元気になって復活してくれるかは神のみぞ知るところだが、これまでの彼の目覚ましい働きはこれからの業界でも語りぐさになるに違いない。

ipod_etc.jpg そのSteveがAmazonのKindleについてAmazonのJeff Bezosと会談した大変面白い記事がある。今年の2月にCNET USのReviewに載った話で、会談とは言っても実際の話ではなく、あくまでも空想の話だ。全文を紹介することはできないのでぜひ、電子書籍端末やAppleやAmazonの動きに興味のある方はご覧になって欲しい。英文だが簡単な会話なので難しくないし、笑えること間違いない。

cnet reviews : Steve Jobs meets the Kindle

 2007年11月某日、SteveはJeffからKindleを見せられて、そんなもの売れるわけがないと一蹴するのだが、その言い方が彼らしいのと、いかにも本心を隠している感じがいかにもで本当の記事かと一瞬思ってしまう。「そもそもアメリカ人の40%は去年1冊も本を読んでいないんだ」「最低のデザインだし、ボタンが多すぎる、エレガントじゃない」「誰がそんなものに400ドルも払うと思っているんだ」といった辛辣なコメントが続く。

 面白いのは、Steveに読書端末なんて市場が小さすぎると言われてJeffが
Bezos: You have 5 percent of the PC market. I'm looking at the 5 percent of people who read a lot. How's that any different? 
と切り返すところだ。これにはさすがのSteveも黙ってしまう。会談のクライマックスはこう続く、

Bezos: Think about it. "The Apple Reader powered by Amazon."
Jobs: How 'bout "The Apple Reader powered by Apple?"
Bezos: People don't read books.
Jobs: Until I make it cool to read 'em.

book.jpg ここの辺りは最近のApple周辺の噂を知っている今となっては大変興味深いものがある。AmazonはiPhoneやiPod TouchでKindle用のデジタルブックが読めるソフトをApp Storeで配り始めたし、大型のiPod TouchやNetbookに対抗するMacBookのTouch Panel版であったり様々な噂や憶測が業界を流れている。Appleの本社に大量の本が運び込まれて来るべきMacBook Readerのためのデジタル化が進んでいるとか、まことしやかに語られている。

アマゾン、iPhone向け電子書籍リーダーアプリを発表--「Kindle」とも連動
アップルの新タブレットで新たなうわさ--今度は「Kindle」に似た製品
アップル、タッチスクリーン式ネットブックを開発中か

デジタル動画ビジネスとDRM

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9月29日のCNETの記事で米アマゾン・コムのオンデマンド動画サービスから動画を無料で保存できる状態になっていることが報じられている。(Flash Media Server」にセキュリティ問題--アマゾンから動画を無料ダウンロード可能に
アマゾンはAdobeのFlash Media Server 3.0を使って有料で映画やテレビ番組の動画のサービスをしているのだが、Adobeのソフトウェアのセキュリティホールのために特定のキャプチャソフトウェアで自由に保存ができてしまうということだ。Adobeはストリーミングの性能を重視してセキュリティの実装が甘かったことを認めているらしい。

20081023_03.jpg
デジタルコンテンツビジネスにおいてDRMは基盤となる技術で、コンテンツビジネスの拡大とともにDRMについても様々な議論がなされている。議論の傾向としては、DRMの否定的な面のみを取り上げて「DRMは必要悪である」と表現したり、極端な場合は「必要」が取れて「悪である」ように言われたりしている。そういった議論では頻繁にDRMの本来の目的を忘れてポイントの外れたままの議論になっている例も多い。または、アップルのSteve Jobsのように意識的にDRMの意義を歪めて説明して自分の主張を通すための道具に使っている例もある。

複製が容易で複製されたコンテンツの品質が劣化せず、しかもその配布が容易だというデジタルコンテンツの特性から、デジタルコンテンツをビジネスにしようとする場合、DRMは避けて通ることができない。そしてDRMはデジタルコンテンツの特性を制限することになるため、ユーザーの利便性を間違いなく損なう。この矛盾をどう解決するのかがまさにデジタルコンテンツの本質でもある。DRMだけでなく、広告や課金などビジネスモデルの面からも様々な試みがなされている。アップルのiTunesはその優れた成果の一つで音楽だけでなくビデオや映画の配信でも主要なプレイヤーになりつつある。


20081023_04.jpgビジネスを守りつつユーザーにとってストレスの無いDRMが求められている。またより多様なサービスを提供する基盤を作ることが期待されている。アイドックのKEYRING.NETを含め各社開発に力を入れているがまだ路半ばというところだ。DRMとはコンテンツをビジネスにする側とそれを消費する側のせめぎ合いで、DRMはデジタルコンテンツビジネスの普及の裏面史である。昨今言われるような「DRM不要論」では何も解決しない。

動画コンテンツを不正な利用から保護しようとした時、従来からのソリューションの一つはストリーミング配信である。デジタルコンテンツをダウンロードさせるからいろいろな不正な処理がされるのであって、ストリーミング配信すればその危険性が少なくなくなるというものだ。しかし現在ではストリーミング配信されたコンテンツを保存するソフトウェアは巷に溢れていて、もはや安全とは言いがたい。これは今回アマゾンの例で改めて証明されてしまった。もちろん、ダウンロード(Progressive Downloadも含む)される場合よりも不正利用の可能性が低いということは事実だが、ストリーミング配信していれば安全とは決して言えない。

ストリーミング配信がより安全だという理由で、多くのコンテンツが必要以上の配信インフラを使っている。このために、最近では米国のComcastのようにユーザーの利用する帯域を制限しようとする動きもあり、一層デジタルコンテンツが持つ本来のダイナミズムが阻害されようとしている。(コムキャスト:「『過剰な』トラフィックをブロックしているだけ」--BitTorrent問題で釈明

適切なDRMで保護されていれば、デジタルコンテンツの配信方法は何であってもいいはずである。適切なDRMの代わりに配信方法が制約を受けている。最近はP2Pによるコンテンツ配信も広く使われようしているし、DVDやBDなどによるオフライン配信も盛んになるはずである。現在デジタルコンテンツの配信にストリーミングが使われていたり、大規模なCDNが利用されていたりするのは適正なDRMの欠如が一つの原因かも知れない。



次回はさらに話題を広げて動画ビジネスと課金や広告との関連について考えてみる。

電子雑誌の潮流を探る 第2回電子雑誌にとってDRMはどういう役割を果たそうとしているのか?

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前回の結論として、紙媒体の雑誌の多くは何らかの形で電子媒体に移行せざるをえず、同時にその電子雑誌は広告モデルに重心をおいた無料化へ大きく舵を切ることになるだろうと書いた。
では電子雑誌にとってDRMはどういう意味を持ち、どういう役割を果たそうとしているのか?

20081023_01.jpg

現在見ることのできる電子雑誌はほとんどが既存の紙媒体の編集やデザインをそのまま電子的な紙芝居にしたものだ。電子雑誌のビュアーには各社いろいろ工夫を凝らしている。
閲覧のためのボタンや3Dアニメーションを使ったページめくりなど、これまでになかったユーザーエクスペリエンスを実現している。
しかし、現在のところ電子雑誌にはまだDRM(Digital Rights Management)は施されておらず、出版社にとっての懸案事項となっている。今のところ、見本誌として一部分のみを電子化したり、バックナンバーの みを公開したりしているのも、まだ紙媒体の販売を第一に考えているのと、記事や写真を保護せずに配信することができないからであろう。

DRMが必要になるのはコンテンツの著作権や肖像権の保護のためだけでなく、広い意味での流通のコントロールが目的である。
通常著作権者との契約が紙媒体だけの場合、電子媒体で配布することができない。電子媒体を契約に含めようとすると契約金額が上がるか契約ができないことも ある。出版社でコントロールできる編集ページの場合はまだいいが、広告頁の場合はその権利関係の処理がより大きな問題になる。

このように紙媒体の紙面そのままで電子化する場合にはいくつかの壁がある。
企画、編集の段階から電子配布を前提として著者やカメラマン、または広告代理店との契約を処理すれば問題ないのだが、現状ではそこまで本腰を入れて電子媒体を真剣に考えている雑誌は少ないために、どうしても曖昧な電子化ということになってしまう。
紙媒体と電子媒体を総合的に考えたビジネスモデルが存在せず、取材や編集にかけるコスト、載せる広告の適正な価格などが未開拓だというのが現実だ。

20081023_02.jpg

現在、出版社、広告代理店、インターネットポータルなどの各社が新しいビジネスモデルの構築を目指して試行錯誤している。雑誌で紹介された物品をすぐに購入 できるサービスやコンテンツの内容にマッチした広告、それもダイナミックに変更挿入される広告などが考えられる。広告の効果測定の技術が組み込まれること により紙媒体とは決定的に違う広告主にとってより理想的な媒体に成長する可能性がある。DRM技術はこれらの新しいビジネスモデルを構築するための基盤技 術になろうとしている。
新しいビジネスの変化に対応するソリューションとして、単にコンテンツの複製を抑制し不正利用を防ぐだけの技術ではなく、より魅力的な電子コンテンツビジネスが生まれるような基盤を提供するものになろうとしている。

次回は電子コンテンツの中でも一番ポピュラーな動画コンテンツについて考えてみる。

電子雑誌の潮流を探る 第1回ますます盛んな電子雑誌はどこへ行こうとしているのか?

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インターネットポータルと雑誌のコラボレーション

インターネットポータルと雑誌のコラボレーション大手ポータルが雑誌との連携に積極的だ。Yahooはタグボードと組んでXBrandというページで主要10雑誌と提携して各雑誌の内容を紹介している。MSNはマガジンハウスと組んで「Hanako」、「Tarzan」、「クロワッサン」などのバックナンバーの閲覧ができるマガジンサーチを始めた。
ph_01.gif手法は違うがそれぞれ人気雑誌のコンテンツをポータルに取り込もうとしている。出版社ではそれぞれのホームページで雑誌の立ち読みやバックナンバーの閲覧ができるようにしている場合もあるが、やはり大手ポータルのように人の集まる場所に出版社の垣根を超えて集められている方がユーザーにとって圧倒的な利便性がある。

雑誌を発行する出版社は崩壊しつつある紙媒体でのビジネスモデルの再生を電子媒体に求め、ポータルはより多くの集客を雑誌コンテンツに求めている。ポータルはこれまでもニュースや天気予報などの一般的な情報コンテンツを新聞社などとの提携で集めていたが、ここにきてよりリッチなコンテンツを自らのサイトに誘導しようとしている。


問題山積みの出版界の中で雑誌がいち早く動き始めているのには理由がある。販売部数は減り、広告は取れなくなってきている雑誌は出版の中でも生き残り戦略の緊急性が高い。昨年、インターネット広告が雑誌広告を超えたが、それは単なる象徴としての出来事でしかなく、事態はより深刻である。各出版社は雑誌コンテンツの配布形態またはビジネスモデルそのものの変革に果敢に挑んでいるが、まだその結果を判断する段階にはない。インターネットや携帯電話などの技術変革が100年以上の歴史を持つ出版というビジネスモデルを大きく揺さぶっている。結論としては紙媒体の雑誌の多くは何らかの形で電子媒体に移行せざるをえず、同時にその電子雑誌は広告モデルに重心をおいた無料化へ大きく舵を切ることになるだろう。

先月のブックフェアでも、電子雑誌のビュアーや制作ツールの展示が多く見られた。ソリューションとしては単に電子雑誌をコンテンツとして売るという単純なものでなく、バックナンバーを無料で公開したり、紙媒体と同様に広告モデルしたりといった試みが主流である。

最近の主な電子雑誌の動き

ph_02.gifポータルとの連携以外でも雑誌社は各社とも電子メディアでのビジネス展開を積極的に始めている。主婦の友社の「ef」 は電子媒体専門の雑誌だ。マガジンハウスは自社のサイトでバックナンバーや最新雑誌の一部を立ち見という形で公開している。小学館はSookというサイトで電子雑誌を公開している。Fujisan.co.jpは従来からの雑誌の定期購読売りと同時に電子雑誌の配信も始めている。

雑誌の生き残り戦略の基本となるのは電子媒体でのビジネス展開である。従来、紙媒体での販売の減少を恐れて電子媒体への取り組みが遅れがちであったものが、最近は各出版社とも積極的に電子媒体での配信に意欲を見せている。これらはどれも、既存の紙媒体の編集やデザインをそのまま電子的な紙芝居にしたものだ。

Fujisan.co.jpは米国Zinio社のシステムを使っていたが、今は他社と同じようにページ情報を画像にしたものをFlash形式で配信している。閲覧のためのボタンや3Dアニメーションを使ったページめくりなど、これまでになかったユーザーエクスペリエンスを実現している。ユーザーのモニターのサイズに依存するが、15インチ以上でSVGA以上の解像度があれば、閲覧するのにそんなに苦労はしない。ビュアーによって、拡大縮小機能や検索機能などに差があるがおおむね同等と言える。

次回はこうした電子雑誌とDRMの関係について考えてみる。



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プロフィール
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アスキーにてMS-DOSなどマイクロソフト製品の日本市場導入にかかわり、西社長(当時)やマイクロソフト社長ビル・ゲイツ(当時)から薫陶を受ける。99年アイドック株式会社を創業、05年PDFコンテンツの著作権保護ソリューション「KeyringPDF」を開始。07年、国内初のSaaS型FLASHコンテンツ保護ソリューション「KeyringFLASH」を開始した。デジタル著作権保護の第一人者。趣味はフライフィッシング、東京外国語大学卒、東京都出身。
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