他に先駆けて「電子書店」という分野を切り開き、コンテンツそのものを有料販売す
ることに成功したパピレ
ス社。その発想の原点を伺いました。
天谷氏:私は富士通で開発や企画にたずさわっていました。
それで、早くから、それこそパソコン通信の時代から、コンピュータネットワー
クの可能性には注目し
ていました。きっと、ここにはビジネスチャンスがあるに違いない、と。
その当時の、ニフティなどのパソコン通信を見ていてあることに気がつきまし
た。
そこの掲示板には、例えば1000人の会員がいたとして、書き込んでいるのは100
人くらい。一割の人間
しか情報発信していません。その内容も、ほとんどが「昨日何食べた」とか、どうで
も良いようなことばっか
り(笑
それを、けして安くはない会費を払って、残りの900人が見ているのです。
情報に対するニーズはすごくあるんだな、と感じました。
で、こんなにどうでも良い情報すら、お金を払って見に来るのだから、価値のあ
る情報なら、もっと喜
んで買ってくれるのではないか、という風に考えました。
情報コンテンツといえば本だ。「そうだ、書籍を売ろう」と思いついたのです。
●通信販売ではなく、電子化した書籍を課金して配信するという、独自の販売法
を思いついた天谷氏。し
かし、思いのほか、大きな難題が待ち構えていました。
天谷氏:出版社に電子書店の構想を持ち込んだところ、最初に協力してくれたの
は2社だけでした。問
題になったのは、著作権の保護です。著作権保護がない状態で電子化すると、無限の
コピーが簡単に可能に
なってしまう。それは出版社の立場としては非常によろしくない。ですので、著作権
保護を参入条件にされる
ところばかりでした。
仕方ないので、著作権保護をあえて目をつぶってもITの将来性を見込んでくれた
出版社の書籍と、あと
は著作権フリーの書籍を取り扱っていました。「坊ちゃん」みたいなものとかです
ね。
著作権保護を掛けるシステムはあるにはあるのですが、使い勝手が悪かったり。
よくあるのが、コンテンツを特定のフォルダにダウンロードさせて、解凍させ
て、という段取りをふむ
もの。IT業界の人間にとっては何が悪いの?というものですが、女性であるとか高齢
者、あと、単純にパソコ
ンが苦手な人にとっては、それだけのことが大変な負担になるのです。
なんとか使い勝手がよく、なおかつ著作権保護が出来るシステムはないものか。
それを探している時に
出会ったのがアイドックさんのキーリングPDFのシステムだったのです。
|
次回予告【キーリングPDFを導入して】
●顧客利便性と著作権保護。この二つを両立させる為に、キーリングPDFを導入して
いただいたパピレス様。
その経緯とは。
|
|